Jan.1955 Coleman Canada 241A

Colemanのケロシンモデル、241シリーズ。
中でも241Aは「ヨーロッパ向け輸出専用モデル」として語られることがな少なくありません。
確かに、ケロシンを主燃料とする文化圏は欧州に多く、
現存個体もヨーロッパで多く確認されます。
そのため、“輸出専用だったのではないか”という説が広まったのも自然な流れでしょう。
しかし、本当にそうだったのでしょうか。
製造元はカナダ

241AはColeman Canada製造のモデルです。
当時のカナダ国内カタログにも掲載が確認されています。
カナダは寒冷地。
開拓地、林業、遠隔地用途など、
ケロシン燃料の実用性が求められる環境は国内にも十分存在していました。
つまり、241シリーズは“カナダ国内市場としても成立するモデル”だったと言えます。
現時点で、241Aが「ヨーロッパ専用モデル」であったと断定できる一次資料は確認されていません。
なぜ“輸出専用説”が語られるのか

いくつかの要因が考えられます。
• 欧州で現存数が多い
• ケロシン=欧州というイメージ
• バルブレス構造=合理設計=輸出向けでは?という後年の解釈
ヴィンテージの世界では、
流通経路や現存数の偏りから“物語”が形成されることがあります。
それ自体が悪いわけではありません。
むしろ魅力の一部です。
ただ、事実と推測は分けて考える必要があります。
バルブレス構造の合理性

241シリーズの特徴の一つが、いわゆる“バルブレス”と呼ばれる構造です。
操作系を簡略化し、構成部品を減らすことで
• 故障箇所を減らす
• 操作ミスを防ぐ
• 寒冷環境でも安定始動を実現する
といった合理性が見えてきます。
これは「輸出のための設計」というよりも、
“確実に使えること”を優先した思想の結果と考えるほうが自然かもしれません。
情報も、整備も
ヴィンテージランタンの世界では、
語り継がれた説が事実のように広まることがあります。
私は、構造と資料、そして実機の挙動を基準に判断します。
とりあえず使えるようにする修理ではなく、
次の100年を見据えた整備を。
それが、私の向き合い方です。

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